ラーメンや冷やし中華、焼きそばなどに使える中華麺。
美味しいですよね。
でも、海外では手に入りにくいんです。
チャイナタウンで売られている中華麺は日本のとは違うし。
じゃ、家で作ってみましょうか。
海外在住日本人の間で有名な裏ワザです。
用意するもの
用意するもの
用意するもの 1人分
- 重曹(Baking Soda) 大さじ1
- パスタ 100g
- 水 1L
重曹は英語で Baking Soda 。
McKENZIE’S のベーキングソーダを使いました。
フタのところで「すりきり」できるようになっています。
麺は、極細パスタのカッペリーニ(エンジェルヘアパスタ)を使いました。
お好みのパスタを使ってください。
パスタで中華麺の作り方
作り方
- 沸騰したお湯に重曹を入れる。
- 通常の茹で時間よりも長めに麺を茹でる。
終わり。
茹でている間に、ゆで汁が黄色くなりラーメンの匂いがしてきたらできあがり。
匂いも食感も中華麺です。
大満足。
パスタがラーメンになる科学
小麦粉の種類
うどん、パスタ、ラーメン(中華麺)の麺は、小麦粉から作られます。
中華麺・・・準強力粉
パスタ・・・強力粉
小麦粉に含まれるタンパク質(グルテン)の質と量によって
「薄力粉」「中力粉」「強力粉」の3つに分類されるのが一般的です。
かんすいって何?
映画「タンポポ」で、「かんすい」を知りました。
かんすい
「炭酸カリウム(無水)」、「炭酸水素ナトリウム」、「炭酸ナトリウム」及び「リン酸類のカリウム塩又はナトリウム塩」のうち1種以上を含む。
参考:食品衛生法
つまり、食品衛生法で厳格に決められている食品添加物。
これが小麦粉のタンパク質(グルテン)に作用して
中華麺らしい風味を出すようです。
化学反応式
重曹(炭酸水素ナトリウム NaHCO₃)を加熱すると
炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)、水(H₂O)、二酸化炭素(CO₂)に分解されます。
2NaHCO₃ →Na₂CO₃+H₂O+CO₂
炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)は、水に溶かすと強いアルカリ性になります。
Na₂CO₃→2Na⁺+CO₃²⁻
CO₃²⁻ + H₂O ⇌ HCO₃⁻ + OH⁻
HCO₃⁻ + H₂O ⇌ H₂CO₃ + OH⁻
炭酸ナトリウム Na₂CO₃
炭酸イオン CO₃²⁻
炭酸水素イオン HCO₃⁻
炭酸 H₂CO₃
水酸化物イオン OH⁻
水酸化物イオン(OH⁻)が増えたので、水溶液は塩基性(アルカリ性)。
・水素イオン(H⁺)が増えると酸性
化学反応式の作り方
- 物質名で式を作る。
- 物質名を化学式になおす。
- 左辺と右辺の係数を合わせる。
炭酸水素ナトリウムの熱分解の場合
① 物質名で式を作る
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素
② 物質名を化学式になおす
NaHCO₃ → Na₂CO₃+H₂O+CO₂
炭酸水素ナトリウム NaHCO₃
炭酸ナトリウム Na₂CO₃
水 H₂O
二酸化炭素 CO₂
③ 左辺と右辺の係数を合わせる
NaHCO₃ → Na₂CO₃+H₂O+CO₂
左:Na原子1個・H原子1個・C原子1個・O原子3個
右:Na原子2個・H原子2個・C原子2個・O原子6個
右の原子の数が多いので、左のNaHCO₃を2個にして原子の数を合わせます。
2NaHCO₃ → Na₂CO₃+H₂O+CO₂
左:Na原子2個・H原子2個・C原子2個・O原子6個
右:Na原子2個・H原子2個・C原子2個・O原子6個
ちょうど左と右の原子の数がすべてそろいました。
(それぞれの原子の数が揃うまで計算します。)
この式が炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学式です。
2NaHCO₃ → Na₂CO₃+H₂O+CO₂
塩基性条件のもとでは
塩基性の条件で、
小麦粉のタンパク質を構成する「グルタミン」から
「アンモニア」を発生して「グルタミン酸」となります。
それで、中華麺特有の匂いがするんですね。
また、植物が作り出す化学物質(ベンズアルデヒド+アセトフェノン)は、
塩基性条件のもとで結合してカルコン(黄色)ができます。
結果、パスタをかんすい(「炭酸水素ナトリウム」)で茹でたら
ラーメンの麺のようになったということでした。
参考:麺の科学
さいごに
重曹を入れたお湯でパスタを茹でると中華麺になるという話でした。
ラーメンの麺を作る際、小麦粉にかんすいを練りこまなくても、
茹でるお湯が塩基性になれば、
パスタでも同じように中華麺になるということが分かりました。
美味しかったです。
以上、夏休みの自由研究終わり。
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