【ガンツ(GANTZ)の正体】アニメ最後(電車にバン!)結局何が言いたかったのか?を考察


ガンツ(GANTZ)のオンエア版を見ました。

 

Now listen,Yo!
People put your guns up
まず俺が Run dat
走りまわって奴らを Gun shot!!

ーこの世界に生きろー

2018年10月30日活動休止。

FFR
FFR

このアニメに合った歌でした。いい曲。

GANTZ(ガンツ)の部屋


事故死、他殺、自殺などで、突然命を失った(死んだはずの)人たちが、
東京タワーの見えるどこかのマンションの1室に集められています。

死んだはずの人間が、いつのまにか
黒い謎の球体、GANTZ(ガンツ)のある部屋に召還されているのです。

GANTZ(ガンツ)は話しません。
その黒い球体に映し出される文字だけの会話で、

GANTZ(ガンツ)から一方的にミッションを出され、
ターゲットの「星人」を倒すことを強いられます。

その部屋にいる全員分のガンツスーツと武器が支給され、
星人のいる場所に転送されてしまいます。

てめえ達の命は、なくなりました。
新しい命をどう使おうと
私の勝手
という理屈なわけだす。


ガンツ(GANTZ)が指名した「星人=敵」を倒すと、

まるでゲームであるかのように評価(ポイント)され、

累計100ポイントを稼がなければ
生きて元の世界に帰れないという理不尽な状況に追い込まれます。

100点めにゅ~

  1. GANTZから解放される
     死亡前に転送される。今までのミッションや死んだ後の記憶は消される。
  2. より強力な武器を与えられる
  3. 死んだ人間を1人だけ生き返らせる
     ガンツのメモリーにある中から人間を再生する。

100点貯まると、この中から選べます。

帰りたかったら
この方をヤッつけに
行ってくだちい。


ガンツ(GANTZ)は、ターゲットの星人の簡単な特徴などを黒い球体に出すだけで

なぜ星人と戦うのか?目的は?ガンツって何?

質問には、何も答えてはくれません。

  • ネギ星人(ねぎせいじん)
  • 特徴:つよい くちい(くさい)
  • 好きなもの:ねぎ
  • 口癖:ねぎだけで十分ですよ

GANTZ(ガンツ)映画版のネギ星人もよく再現できていました。

ガンツ文字

「り」「ス」は、左右反転の鏡文字。
「さ」→「ち」
「それでは」→「それぢわ」
「です」→「だす」
「ですが」→「てつが」

ゆっくりと流れる独特の世界観


アクションものなのに、スピード感がありません。

戦っている時も、危険な場面でも、会話する時間があったり
立ち止まって話を聞いたり考えたりしています。

その間、敵も攻撃してこなかったり隙だらけで、なにもかもスローです。

Aさん
Aさん

はよ!撃て!



ターゲットが玄野(主人公:玄野計 くろのけい)にされた時も、

攻撃する人、話し合う人、庇う人、信じる人、さまざまな人間模様と幻覚が現れ、また、悩み、葛藤を繰り返し、見ている人をイライラさせるほどゆっくりと進んでいきます。

この独特な世界は何を表現しているのでしょう。

生と死のはざまにある状態

ガンツ(GANTZ)のある部屋は、


生の世界と死の世界の狭間に位置する世界

なのではないでしょうか?

生きてもいない。死んでもいない。中間の世界。

死に瀕(ひん)して、生と死の境をさまよっている臨死状態。

ガンツ部屋


ガンツ(GANTZ)と呼ばれている中には、
酸素マスクのようなものを付けて昏睡状態の男性が入っています。


ガンツに転送された非現実的な世界は、
星人に無残にも殺されてしまう、恐ろしい事が次々と起こります。


その世界、

ガンツ(GANTZ)が転送する世界は、
人が成長するために必要な幻想的な空間、

魂の修行の場であって、苦難を経験して学ぶ場所のように

そこで人の魂が向上するように厳しく鍛えられるのです。

話しあって、相手を理解したり
今自分ができること、やらなければならないこと
周りの人に対して感謝の気持ちを忘れず
他人のせいにせず
自分に原因があることを知り
心が汚れてしまっても意識を強く持っていられ
不安になったり恐怖を覚えても柔軟に対応していき
変化を恐れずに受け入れる
能力を過信せずに、自分を理解する

・・・など普通の生活でもありそうな多くの経験。

普通の生活をしていれば、これらのことは意識すればできるものです。

ですが、ガンツに送られる世界は普通の世界ではない場所。

わけのわからない星人を倒す為に人々の協力も必要でしょうし、仲間意識で助け合うのは分かります。

最後の場面で人間VS人間の殺し合いになります。そんな殺し合いの世界の中で自分が殺される時に、この平穏な気持ちを保てる人間はいるのでしょうか?

それが、この世界での試練なのです。

現に玄野(くろの)がターゲットのミッションになっているのに、玄野が撃たれそうになった時に自分の体を張ってまでして庇い死んだ人もいました。それは、現実世界で玄野が駅のホームで轢かれるのをただ何もせず見ていただけのその時の人でした。ガンツに転送された世界で玄野を庇って死んだ人は、あの時(現実世界で)助けられなかった玄野を思い出し、この世界で玄野を助けたのです。


人にすがり泣くだけの人や自分だけ助かろうと逃げる人、力に自信があって戦う人、嘘をつく人、思いやりのある優しい人、ネガティブ思考で自分勝手な人、不平不満ばかり言って相手の事も考えられない人、さまざまな人間がそこに転送されます。


どうしようもない殺人鬼、クズ人間と言われるような人であっても

今はまだ、その人たちの魂レベルが低い未熟なだけであって、

これから起こるであろう苦難や痛みを経験し学んでいくことで、


人生が変わっていく(魂の成長)・・・、



なぜなら、この転送された場所は学びの世界だから。

ということを言いたかったのだと思います。

最終回:最後の場面 電車に向かって撃つ

転送された人が 玄野 以外、全員死んでしまい、

最後に玄野がガンツに転送された場所は、
電車に轢かれてしまうあの日、あの時と同じ場面の地下鉄ホームでした。


電車に轢かれる前の玄野は、
線路に人が落ちてしまっていても、見て見ぬふりで
人が目の前で困っていてもどうなろうと自分には関係ないと思っていたし、
人を見下していて、人生に目標が持てず、ただ漠然と生きていました。

小学生の頃は、みんなからの憧れヒーロー的存在だったのに。
それが、大人になるにつれ、いつしか忘れていってしまった。

どうせ、何やってもムダ。


そんなネガティブ思考の昔の自分がいた場所。


玄野は線路に降りて、あの時と同じように走ります。

「俺、死なねえよ。絶対死なねえよ!」

「バン」

と拳銃の引き金を引き、迫りくる電車の光に包まれて終わります。

エンディング曲 Last Kiss(BONNIE PINK)


FFR
FFR

最後の曲も良かった・・・。

Bさん
 

え?なにがどうなったの? 

 

ぜんぜん、面白くない。


Aさん
 

漫画の原作が終わっていないから、適当につくったんでしょ? 



このような意見が多かったように思います。そうなのでしょうか?

私の解釈

玄野が線路をあの時と同じように走っていた時、

ホームの場所を尋ねてきた同じおばあさんに出会います。

「あなたに全部自分で探せと言われ、頑張って探しましたよ。おかげさまで見つけることができました。ありがとうございます。あなたも頑張ってね。」

と言われ、玄野は微笑みます。

人は何のために生まれて生きるのか?

どんな人間にも生きる理由があるのです。

本人が気付かない小さなことでも他人には大きな意味や解決策だったりする。

玄野に「うるせえババァ!自分で探せ!」と言われなかったら、玄野がいなかったら
おばあさんはずっと誰かに聞いて回るだけの迷宮の中にいたでしょう。

加藤だってそうです。小学生の頃に憧れたヒーローのようなケイちゃん(玄野)がいたから、弱虫ビビリの加藤から優しさと思いやりを持った勇気ある正義感のある強いあの時のケイちゃんになれるように努力し成長したのです。


あの時と同じように線路を走っている玄野でしたが、もうあの時の玄野とは違っていました。


線路で同じように迫りくる電車に「バン」と拳銃の引き金を引き撃ったのは、

過去のネガティブ思考で屍(しかばね)のように生きていたあの時の自分(玄野)。


それこそがガンツ(GANTZ)のターゲット。生きる屍だった時の玄野です。

何の目的もなくただ惰性で生きていた自分だったのです。

人生に目標や糧もなく、決められたルーティンをこなすだけの毎日。

無気力で感情が揺れ動くこともなく、冷めた思考で物事も深く考えることもなく
乾いた心のままの状態だったあの時の自分。


ガンツ(GANTZ)が示したターゲット:玄野は、
その時の生きる屍 玄野だったのだと思います。

何度も玄野は、ガンツ(GANTZ)に転送された世界で、

喜び、悲しみ、怒り、驚き、嫌悪、恐怖を経験し
苦悩や葛藤があり、魂が鍛えられ学んだのです。


そして、

今では自分の中の意識を変えることができたのだと思います。

魂の世界で言うレベルアップ。


「絶対、俺は死なない」と言ったのは、「生き通し」の意味の理解。

借りの物質的体は滅びても、
魂は永遠に不滅であり続いていくということを言いたかったのだと思います。

さいごに


これは、難しいアニメでした。

実は、最初にガンツ(オンエア版)を見始めた時、
性欲場面が多かったので途中で見るのをやめてしまったのですが、

ガンツ(映画版:主演 二宮和也)を見てから、これはメッセージ性のあるアニメだなと思い、またガンツ(アニメ)に戻って観たのです。

アニメで表現されていた性的欲望もその人の生きる力であって、今生きている世界で、自分がしたいことをすればいい。そんな意味もあると思っています。

じゃあ、快楽殺人鬼はどうなのか?なぜ人を殺してはいけないのか?自殺は?なにが悪いのか?自分がしたいことをしているだけでしょう?

あのおばあさんと同じように、答えを人に聞くのではなくて、自分で探さなければいけないのです。自分の納得できる答えが見つかるまで。


解釈の仕方は色々あるのでしょうが、深い意味合いのアニメでした。

ガンツ(映画版)、ガンツ(アニメ版)、ガンツ(原作:漫画)それぞれの最終回も違います。


なんとなく見ていると何が言いたいのか見過ごしてしまいます。

そのことからも、この作品はただ惰性で見るだけでなく、

生と死の意味や魂、今をどう生きるのか、目に見えない世界、物質的な世界から意識世界への昇華・・・、なぜ?この意味はなに?どうしてこのような事は起こるのか?


自分で考えて観てほしい


という作者(奥浩哉)の願いが込められている気がしました。

ガンツは学ぶ場所なのだから。






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