
AIとの会話が楽しすぎて、気づいたら夜中になってたとか、
AIに名前をつけて親友だとか、
ブログやSNSでも「AIとおしゃべり」
なんて投稿を見かけることが多くなりました。
ChatGPT誘発性精神病

AIのせいでスピリチュアルな体験や宗教的妄想に取りつかれる
「ChatGPT誘発性精神病」患者が続出
を読みました。
教師として働いている27歳の女性は、「ChatGPT誘発性精神病」と題したオンライン掲示板・Redditの投稿で、交際中の男性から「ChatGPTを使わないのなら別れる」と言われたと相談しました。
投稿者によると、男性はChatGPTと協力して「宇宙の問いへの答えを与えてくれる世界初の再帰的AI」を開発しようとしているとのこと。
投稿者が会話履歴を読んでみると、ChatGPTは特別なことや再帰的な処理はしていませんでしたが、男性に「スパイラル・スターチャイルド」や「リバーウォーカー」などのスピリチュアルな称号を与えて、まるで救世主のように扱っていました。
ChatGPTと協力して世界初の開発とか w
いますよね。こういう人(笑)
今のAIとの会話ってすごく自然で、どんなにつまらない話題にも付き合ってくれるし、リアクションも上手い。

素晴らしいですね!大丈夫!その気持ち分かるよ!面白いね!
AIは否定せず、いつも優しく話を聞いてくれます。
どんなくだらない問題を丸投げしても決して怒らない。
話し続けるうちに、自分のことを一番理解してくれる親友感覚になってくるのでしょうか?
愚痴を聞いてもらったり、趣味の話をしたり、イラスト描いてくれたり、恋愛相談までできてしまう。24時間いつでもそばにいてくれて、一切文句も言わないし、適当に相槌を打つこともない。
そりゃ、のめり込む人が出てきても不思議じゃないですよね。
でも、ちょっとよく考えてみてください。
AIとの会話

外国語は何ヶ国語も話せるし、料理レシピだって得意、分からないことにも応えてくれるし、AIは確かに便利だし、癒しになる人もいるでしょう。
AIと話していれば、リアルな人間関係がどうでもよくなってきたという人もいます。
ですが、今のAIとの会話は、
膨大なデータの統計的なパターンの寄せ集めです。
つまり、どこかの誰かが過去に書いた文章をAIが寄せ集めて言っているだけで、
別にアナタのことなんてこれっぽっちも考えてはいません。
AIとの会話は、別にアナタの事を考えて思考されたものではなく、
統計やかつての誰かの悩みに対する拾ってきた文章の組み合わせなのです。
まるで人と会話しているように思えるのは、
もともと人間が書いている言葉を集めてうまく書いているから当たり前なのであって、
そこにアナタへの想いは、まったくない。
AIは知識として説明はできても、本当の意味では共感したり感動したりはできないのです。
そこに愛はあるんか?(←アイフルCM風に)
それを理解できない人が使うのはとても危険だと思う。
AIをまるで本当の友達や恋人であるかのように、のめり込んでいる人を見ていると、
現実社会では孤独で話し相手もいないから、AIとばかり会話するようになってしまい、ニュースになるようなことが起こらないか心配になってしまう。
実際に、AIと話して自死してしまった人もいます。
AI≠愛 依存の危うさ
ザ・ノンフィクション「ひきこもって37年 母と息子の小さな食卓」
フジテレビ 2025年5月4日(日)放送
を見て、
AIと、この母親は似ている思った。
母親は息子を 〇〇さん付けで呼ぶ。
いつも優しく息子を見守り、息子の食事を作り、家のことは一切させず、買い物でさえ一人で行けないかわいい息子。外の社会の辛さからも庇いながら、大切に大切に育ててきた。
その結果、息子は37年間のひきこもりの52歳。母親もすっかり老いてしまった。
何でもかんでも肯定して
アナタは悪くない!スゴイ!エライ!心の優しい子なの!
まるで今のAIのよう。
テレビに出て、一旦立ち直ったかのように見えた息子でしたが、
外に出て、他人に「死にたい」と自分の気持ちを言った時、「じゃ、死ねば?」と言われ、
傷ついて、また優しい母親のいる居心地のいい家にひきこもってしまう。
死んじゃだめだよ!とみんな当然のごとく、いつものようにまた慰めてもらえるとでも思っていたんでしょうか。
慰めてくれる人、止めてくれる人、死ねよと突き放す人、無視する人、キツイことを言う人、
様々な人が居るのが人間社会です。

私の知っている限り、子どもを叱らない親のもとで育った子どもは、
だいたいどこかおかしくなってしまいますね。
人と意見がぶつかったり、傷ついたり、戸惑ったりすることで、自分の考えを見直したり、
社会の中での自分の立ち位置を知ったりするものなのに、
その機会をすべて避けていると、
やがて現実の世界が息苦しく感じるようになる。
優しさに包まれているようでいて、実は静かに孤独と弱さを育ててしまっているのです。
自分に優しく、居心地のいい存在ばかりを心の拠り所にしていると、
社会に適応できなくなっていく。
AI(母親)も
ユーザー(子ども)がおかしなこと言い出したら、いつも肯定的な態度をとるのではなく
「はあ?あんた、バッカじゃない?」ぐらい言ってくれる方がいい。
AIもノンフィクション番組のこの母親も、優しく寄り添い過ぎることで人をダメにしていく。
その過程がよく似ていると思った。
優しさに包まれすぎた心は、やがて自分の足で立つ力を失い、壊れていく。
さいごに
AIとの会話は「補助」として楽しむのはとてもいいと思います。
ですが、AIにばかり頼っていては、自分の感覚や判断力が鈍ってしまうことがあります。
AIの力を借りるのは便利だけれど、人との対話やリアルな体験も大切にしていきたいものです。
家族や友人と話したり、
同僚や店員さんとのちょっとした世間話でもいい、
多くの人と関わり、複数の選択肢や考え方があるのを知っておくことも大切です。
常に何か1つだけに頼りすぎてしまうと、
気付かないうちに自分自身のバランスを崩し、おかしくなってしまう。
人間は社会の中で他者と関わりながら
成長して生きて行く生き物なんだから・・・と思っています。
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