東寺もお正月の準備。
2023年も終わりの12月末、京都の世界遺産「東寺」に行ってきました。
東寺(とうじ)
正式名称 教王護国寺
東寺は、平安時代初期の794年に、空海(弘法大師)によって創建され、今でも唯一残る平安京の遺構です。平成6年、1994年に世界遺産として登録されています。
空海(弘法大師)によって、密教の根本道場として栄えた寺院内には、
国宝の五重塔をはじめ見どころがたくさんあります。
また、毎月21日は、弘法大師・空海の月命日(ご縁日)で「弘法市」が開かれ、骨董品・古道具・衣類・食べ物・植木などの屋台露店が立ち並び大勢の人で賑わいます。
京都駅から歩いていけます。
東寺に来ると毎月替わる「お大師さまのおことば」も楽しみの1つです。「お大師さまのおことば」は印刷されており、無料でいただくことができます。
令和5年12月のお大師さまのおことばは、
「衆生は悟らずして長夜に苦を受ける」でした。
2023年12月 お大師さまのおことば
「衆生は悟らずして長夜に苦を受ける」
私たちは「いつも自分の思い通りになってほしい」と願っている。
しかし現実は「因縁の法」によって動いているので、究極は自分の思い通りにはならない。結果として必ず苦を受けるのである。
その自分の正体を仏教は見破って、「阿頼耶識」と名付けた。阿頼耶とは「可愛いもの」という意味である。阿頼耶識が「智慧」に転じ、因縁の法と自分が一つになったときを「悟り」といい、その人を「仏」と呼ぶ。
解説あっても、難しいおことばですね。
人は自分の思い通りに物事が進むことを望むけれど
現実は予測不可能で、因縁の法によって複雑に絡み合っている。
苦しい状況や思い通りにいかないことに直面しても、
その苦しみやストレスを理解し、
試練を通じて得られた知恵や経験が、
未来の課題に対しても強固な基盤を築き困難を希望に変え、
新たな希望に満ちた未来へと向かう。
苦悩を乗り越え、本当の幸せや悟りを得ることができる・・・
ということでしょうか?
小野道風ゆかりの柳
東寺にある柳の木の下の堀には、小さなカエルの石像があります。
【小野道風ゆかりの柳】
自分の才能を悩んで、書道をあきらめかけていた道風ですが、ある日、離れた柳に蛙が飛びつこうと、繰りかえし飛びはねている姿を見ます。
「蛙は柳に飛びつけるわけがない。」と思っていましたが、何度も繰りかえし飛びはねていた蛙は、風で柳がしなった瞬間にうまく柳に飛び移ります。
これを見た道風が「自分はこの蛙のように努力をしていない」と目を覚まして、書道をやり直すきっかけを得たといわれる話の柳です。
その柳が東寺にあります。
さいごに
2023年の終わりに東寺に来て、一年の無事を感謝しました。
東寺で感じる仏教の聖なる雰囲気やおことばは、自分を省みたり、考える時間、
希望や励ましを与えてくれますね。
一年の終わりを迎える12月31日は、新たな年への期待と感謝の気持ちが込み上げてきます。今年の振り返りや感謝の気持ちを持つと、新しい一歩を踏み出す力になります。
過ごし方はさまざまかと思いますが、心温まるひとときをお過ごしいただければ幸いです。
来る年が皆さまにとって素晴らしいものでありますよう、心よりお祈りしております。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
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